Noah
記事一覧へ戻る自己経営約6分で読めます

株価に振り回されるのは、知識不足だからではない|投資1年目に作りたい5つの判断ルール

株を買った直後に値下がりした。
もっと買うべきか、損切りするべきか、元の値段へ戻るまで待つべきか。
ニュースでは強気の意見が出ているのに、SNSでは「まだ下がる」と言われている。

投資を始めたばかりの時ほど、こうした場面で「正解を知っている人」を探したくなります。
けれど、迷いの原因は知識が足りないことだけではありません。
本当の原因は、自分が何を根拠に買い、どんな変化が起きたら判断を変えるのかが決まっていないことです。

この記事は、つばめ投資顧問の長期投資研究所が公開したYouTube動画「株式投資1年目に知りたかったこと30選」を参考にしています。
動画に登場する30項目をそのまま並べるのではなく、投資初心者が自分で判断できるようになるための5つのルールへ整理しました。

初心者ほど「一つの正解」を探してしまう

投資を始めると、知りたいことが一気に増えます。
どの銘柄がいいのか。
いつ買えばいいのか。
どこまで下がったら売るのか。
どのニュースを信じればいいのか。

これらを勉強すること自体は大切です。
ただ、情報を増やすだけでは迷いが消えないことがあります。
専門家同士でも将来の見通しは分かれますし、同じ株価を見ても「買い」と考える人と「売り」と考える人がいるからです。

市場の未来を一度で当てることはできません。
だから必要なのは、予想を外さない力よりも、予想が外れても大きく崩れない判断の仕組みです。

ルール1 一度に全部決めない

動画の中で、特に初心者に役立つのが「全部買わなくていいし、全部売らなくていい」という考え方です。

株価が大きく下がると、「今が底かもしれない」と全額を入れたくなる。
反対に、不安が強くなると、持っているものを全部手放したくなる。
けれど、底も天井も後から振り返らなければ分かりません。

そこで、買う時も売る時も何回かに分けます。
少し買い、まだ下がった時のために余力を残す。
一部を売り、まだ上がった時のために残りを持つ。
一度で正解を出そうとしないだけで、値動きに対する焦りは小さくなります。

金融庁も、投資には元本割れの可能性があることを前提に、長期・積立・分散という考え方を資産形成の基本として紹介しています。
個別株を段階的に売買することと積立投資は同じではありませんが、「一回の判断にすべてを賭けない」という点は共通しています。
制度や商品の詳細は、必ず最新の金融庁「資産形成の基本」で確認してください。

ルール2 株価ではなく、買った理由を見る

株価が下がると、「買値まで戻ったら売ろう」と考えがちです。
けれど、市場は自分がいくらで買ったかを考慮してくれません。

見るべきなのは、含み益か含み損かではなく、買った時の理由が今も成立しているかです。
商品が支持されている、顧客が増えている、利益を生む仕組みが強いなど、企業を選んだ理由が残っているなら、値下がりだけで結論を急ぐ必要はありません。
反対に、事業の前提が崩れているなら、「いつか買値へ戻るはず」と待つことが正しいとも限りません。

他人が紹介した銘柄を調べること自体は悪くありません。
ただし、銘柄名だけを真似するのではなく、その人がなぜ良いと考えたのかまで自分の言葉で説明できる状態にすることが必要です。

ルール3 過去の数字より、未来の仮説を持つ

決算が良かったのに株価が下がることがあります。
これは、投資家が過去の結果だけでなく、その先の売上や利益、事業環境まで見ているからです。

大切なのは、決算の数字を見て「良い会社」と決めることではありません。
その数字がなぜ生まれ、今後も続く可能性があるのかを考えることです。

金利、景気、業界の波、顧客の変化、競合の動き。
未来を正確に予言することはできなくても、「この条件なら伸びそう」「この前提が崩れたら見直そう」という仮説は持てます。
仮説があると、ニュースを見る目的も、価格を眺める目的も変わります。

ルール4 失敗しないことより、失敗を小さくする

初心者のうちは、最初に選んだ銘柄へ強くこだわりやすくなります。
自分が選んだものを売ると、判断の間違いを認めるようで苦しいからです。

ただ、投資は一つの銘柄だけで勝ち負けを決めるものではありません。
複数の判断を重ねた結果として、資産全体がどうなったかを見るものです。

価格が下がったという理由だけで買い増すのではなく、最初の仮説が今も成立しているかを確認する。
成立していなければ、損失が出ていても見直す。
最初から一回で正解を選ぼうとせず、小さく試して学び、より納得できる判断へ資金を寄せていくことが大切です。

ルール5 他人の成果ではなく、自分の判断を改善する

SNSを見ると、大きく利益が出た人の投稿が目に入ります。
自分だけが取り残されているように感じて、持っているものを売り、話題の銘柄へ乗り換えたくなることもあります。

けれど、他人が公開しているのは、その人の投資全体の一部かもしれません。
投資できる金額、必要になる時期、耐えられる値下がり幅も人によって違います。

比べるべきなのは、他人の利益率ではありません。
前回よりも買った理由を説明できたか。
感情だけで売買しなかったか。
決めていた上限額を守れたか。
自分の判断が少しずつ改善しているかを見た方が、長期的には意味があります。

買う前に書いておきたい5つの質問

次に何かを買いたくなった時は、注文画面を開く前に次の5つを書いてみてください。

  1. このお金は、生活費や納税、事業の支払いを除いた余裕資金か
  2. なぜこの企業や商品へ投資したいのかを、一文で説明できるか
  3. どんな事実が起きたら「最初の判断が違った」と認めるか
  4. いくらまで投資し、何回に分けて買うか
  5. 株価ではなく、何の数字や事実を見て判断を見直すか

この5つに答えられない時は、銘柄が悪いとは限りません。
まだ自分の判断条件が整っていないだけかもしれません。

投資の前に、事業と生活のお金を分ける

個人事業主や小さな会社の経営者は、会社員よりも収入が変動しやすく、税金や社会保険、外注費などの支払いも自分で管理します。
そのため、銀行口座にあるお金と、投資に回してよいお金は同じではありません。

どの銘柄を買うかより先に、生活費、事業固定費、納税予定、近い将来に使うお金を分ける。
その上で、値下がりしても生活や事業を崩さずに持てる金額を決める。
ここが曖昧なままだと、どれだけ企業分析をしても、少しの値下がりで不安になってしまいます。

お金が複数の口座やカードへ分散し、いくらを使ってよいか分からない方は、先にこちらの記事から整理してみてください。

お金の流れがバラバラだった僕が、会社と家庭の財務を整理した5ステップ

投資で最初に作るべきなのは、当たる銘柄を見つける力だけではありません。
相場が上がっても下がっても、自分の生活と事業を守りながら判断を続けられる土台です。

※この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・銘柄・売買時期を推奨するものではありません。
投資判断はご自身の責任で行い、制度・税務・商品内容は金融庁や各金融機関の最新情報、必要に応じて資格を持つ専門家へ確認してください。

Practice Program

この記事を実践に変えるプログラム

記事で見えた課題を、知識として読むだけで終わらせず、自分の仕事の仕組みとして実装したい方へ。

THE BOOST|学びを成果に変える6つの基礎力

自己経営価格 ¥330,000

知識を増やすだけでは、仕事は進まない。 自分で課題を見つけ、価値をつくり、伝え、改善する。 学んだことを成果につなげる6つの力を、実践で育てるプログラムです。

3レッスン総時間 4時間31分
この実践プログラムを見る

この記事をシェア

役立ちそうな方へ、記事のリンクを送れます。

コメントをする

関連記事

まだ他の記事で学びたい方は、今のテーマを一段深める記事からどうぞ。

コメント

まだコメントはありません。

ログインせずに投稿できます。投稿者名は「匿名」と表示されます。

0 / 1,000文字