「すごくいい内容ですね」と言ってもらえる。
でも、そのあとに続く言葉は「今は大丈夫です」。
商品を作り込んだ。
カリキュラムも充実させた。
それなのに、提案した瞬間に相手の表情が曇る。
こうなると、多くの人は商品の質を疑い始めます。
もっとカリキュラムを増やそうか。
もっと特典をつけようか。
価格を下げた方がいいのか。
ただ、「必要ない」と言われる場面には、分けて見るべき2つのケースがあります。
商品を見せたうえで必要性が伝わらなかったケースと、そもそも商品や価格が相手に見えていなかったケースです。
この2つを分けないと、商品の中身、伝え方、価格のどこを直すべきかが混ざります。
まず、商品を見せたうえで断られたのかを確かめる
商品名、対象者、約束する変化、価格を伝えたうえで「必要ない」と言われたなら、相手は少なくとも判断をしています。
この場合に見るのは、相手が今困っていることと商品の約束がつながっていたか、変化に納得できたか、優先順位が合っていたかです。
カリキュラムを足す前に、相手が「自分に必要な変化」として受け取れたかを会話から見直します。
必要性が伝わっていない場合は、商品を増やすより、誰のどんな困りごとをどこまで扱うかを言い直す方が先です。
そもそも商品を見せていなかったケース
ある企画部のセッションで、参加者からこんな相談がありました。
「マルシェやイベントで人とつながりはできる。でも、そこから仕事の依頼にはならない」
話を聞いていくと、その人は自分のスキルや提供できる価値をちゃんと持っていました。
経験もある。
人と会う場も作れている。
にもかかわらず、仕事につながらない。
僕はこう聞きました。
「あなたが何をしている人なのか、相手に伝えましたか?」
「価格は見せましたか?」
答えは、どちらもNOでした。
この場面で分かるのは、商品が否定されたわけではないということです。
相手は何を頼めるのかも、いくらなのかも知らなかったため、検討を始められませんでした。
この例が当てはまるのは、商品や価格を十分に示さないまま「仕事につながらない」と感じている時です。
商品を見せたうえで断られた時まで、同じ原因だと決めつけることはできません。
見えていない商品を、相手が判断できる形にする
価格を出していない。
何をしている人なのかが伝わっていない。
どんな変化を約束できるのかが言葉になっていない。
この状態で「何かあったら声をかけてください」と言っても、相手は声のかけようがないんです。
質があることと、相手が判断できることは別です。
実際に受けてもらえば価値が分かる商品でも、体験の手前で情報が欠けていれば、依頼の候補になりません。
相手が判断するために必要な3つの情報
商品を検討してもらうには、最低限この3つを見せます。
1. 何をしている人なのか
肩書きではなく、「この人に何を相談すればいいのか」が伝わっているかどうか。
「コーチです」「デザイナーです」だけでは、相手の中に相談理由が生まれません。
「発信を頑張っているのに売上が上がらない個人事業主の、詰まっている場所を特定する人」のように、相手の困りごとと接続する言い方が必要です。
2. どんな変化を約束できるのか
「何を学べるか」ではなく「どう変われるか」。
カリキュラムの項目数や学べる内容を並べている人は多いですが、相手が本当に知りたいのは「それを受けたら、自分の何が変わるのか」です。
ここで大事なのは、変化の約束を一文で言えるかどうか。
確認できない数字を約束する必要はありません。
「自分の商品の価値を、自分の言葉で説明できるようになる」「価格を伝える時に迷わなくなる」のように、その人の日常で確認できる変化を言葉にします。
3. いくらなのか
価格が見えなければ、予算に合うか、頼める範囲かを相手は判断できません。
価格は、何に対していくらを受け取るのかを示し、検討を始めてもらうための情報です。
見せる情報を整えた後に、初めて断られた理由を見直す
3つの情報を伝えても断られるなら、そこで初めて「なぜ必要だと思われなかったのか」を見直します。
たとえば相手が「内容は分かるけれど、今は困っていません」と言うなら、「今、その課題を後回しにできている理由は何ですか」と確認します。
困りごとが商品と離れているなら、対象者を見直します。
変化を想像できていないなら、約束と具体例を見直します。
優先順位が低いなら、無理に押さず、見直すべき場面を伝えます。
相手が「自分にも必要か分からない」と言うなら、「今いちばん変えたい場面はどこですか」と確認します。
答えが商品で扱う課題と違うなら、提案先を見直します。
扱う課題が合っているのに言葉が伝わらないなら、商品の説明を見直します。
断られた理由が、説明の不足とは限りません。
相手にとって本当に必要な課題ではない、すでに別の手段で解決できている、予算や時期が合わないこともあります。
その場合は無理に再提案せず、相手の判断を受け取り、商品を見直す材料と提案しない判断を分けます。
価格への迷いがある場合も、値段だけを先に決める必要はありません。
まず誰に何をどこまで提供するのかを決め、その責任範囲に価格をつけます。
確認してみてください
最近、誰かに商品やサービスを紹介した場面を1つ思い出してください。
その時、次の順番で確認してください。
- あなたが何をしている人なのか
- それを受けたら相手の何が変わるのか
- 価格はいくらなのか
1つでも欠けていたなら、商品の質を疑う前に、まず情報を整えます。
3つとも伝えていたなら、相手の困りごと、商品の約束、優先順位のどこが離れていたかを見ます。
特に2番目の約束が一文で言えるかどうかは、商品設計の根幹です。
ここが曖昧なままカリキュラムを増やしても、相手は自分に必要かを判断できません。
情報を見せる段階で止まっているのか、見せたうえで必要性が伝わっていないのか。
商品の約束を一文に整える時は、カリキュラムを増やしても単価が上がらない理由も参考になります。
この区別がつきにくい方は、個別相談ページから、最近の提案で相手に何を伝え、どんな返答があったかを共有してください。
商品、発信、相談の流れを並べて見ると、次に直す場所が見えます。