記事一覧へ戻る集客・発信奥山 凌平(ぺい)

刺さる言葉が作れないのは、文章力ではなく相手の現在地を見ていないから

セルフケアの投稿に「保存しました」が集まっているのに、施術の予約は増えない。

そんな時、文章が弱いとは限りません。

その投稿が助けているのは「自分で何とかしたい人」です。

一方、施術を必要としているのは「専門家に見てもらいたい人」かもしれない。

同じ腰痛に悩んでいても、欲しい解決は違います。

僕はこれを、文章力の不足ではなく「集めている欲求のずれ」として見ます。

これは整体に限りません。

無料で学びたい人を集めながら、伴走型の講座や支援を届けようとする時にも起きます。

刺さる言葉は、表現を強くすれば生まれるものではありません。

相手が何を望み、解決策をどこまで知り、似た訴求をどれだけ見てきたのか。

その現在地が見えた時、初めて選ぶ言葉が決まります。

「いい投稿」と「売上につながる投稿」は違う

読まれる投稿には、読まれる理由があります。

分かりやすい。

役に立つ。

保存したくなる。

今すぐ試せそう。

これは大切です。

でも、それだけで売上につながるとは限りません。

なぜなら、読者が求めているものと、こちらが売りたいものがズレていることがあるからです。

たとえば、次のようなズレです。

発信に集まる人 頭の中にある欲求 売りたい商品とズレるポイント
自分で何とかしたい人 無料で試したい、まず自分で改善したい 有料相談や施術に進みにくい
誰かに何とかしてほしい人 専門家に見てほしい、早く解決したい 相談やサービスにつながりやすい
勉強したい人 知識を増やしたい、納得したい 「学んで終わり」になりやすい
変わりたい人 今の状態を抜け出したい、伴走してほしい 講座やプログラムにつながりやすい

ここを見ずに「役に立つ投稿」を増やすと、反応は増えているのに売れない、という状態が起きます。

投稿の中身が悪いわけではありません。

集めている人の欲求が、商品と合っていないのです。

認知は「売れなくていい」ではない

ここで一度、認知の考え方を整理しておきます。

SNS投稿、無料記事、広告、ショート動画。

どれも、見た瞬間に申し込みが起きるとは限りません。

むしろ、1回見ただけでいきなり購入する人の方が少ないです。

だからといって、「認知目的だから売上につながらなくてもいい」と考えるのは危険です。

認知は、売上と無関係なものではありません。

認知は、2ステップ販売の1ステップ目として考えると分かりやすいです。

ステップ 読者の動き 発信側が狙うこと
1ステップ目 投稿、記事、広告を見る 名前、問題、価値、違いのどれかを覚えてもらう
2ステップ目 後日、検索する、比較する、講座ページを見る、購入する 「あれを見てみよう」と思い出してもらい、選ばれやすくする

1ステップ目だけを見ると、申し込みは起きていないかもしれません。

でも大事なのは、その後です。

後日、講座ページを見た時に「これ、前に見たやつだ」と思い出してもらえるか。

似た講座と比べた時に「これは自分に必要そうだ」と感じてもらえるか。

告知を見た時に「ただの文章講座ではなく、相手の欲求から言葉を作る講座なんだ」と理解してもらえるか。

ここが変われば、1ステップ目の発信は売上に効いています。

逆に、どれだけ多くの人に見られても、後で誰にも思い出されず、比較された時にも選ばれないなら、その認知は売上につながりにくいです。

広告費だけでなく、投稿を作る時間もコストです。

だから認知は、ただ有名になるためのものではありません。

後から売れる確率を上げるためのものです。

読者は、あなたの商品を同じ目線で見ていない

売り手は、自分の商品や講座の価値をよく分かっています。

なぜ必要なのか。

何が他と違うのか。

受けると何が変わるのか。

だから、ついその前提で書いてしまいます。

でも読者は、同じ場所にいません。

まだ問題に気づいていない人もいます。

問題には気づいているけれど、解決策を知らない人もいます。

似た講座を見すぎて、どれも同じに見えている人もいます。

この状態の違いを見ないまま言葉を届けると、内容が良くても刺さりません。

「それ、今の自分に必要だ」と感じる前に、読み流されてしまうからです。

大衆心理と広告技法で見る3つのこと

大衆心理と広告技法で大事なのは、うまい言い回しを覚えることだけではありません。

言葉を作る前に、相手の状態を見ることです。

特に見たいのは、次の3つです。

見るもの やさしく言うと ここがズレると起きること
欲求 その人は本当は何を望んでいるか 反応する人は集まるけれど、買う人が集まらない
商品認知度 その人は商品や解決策をどこまで知っているか まだ必要性がない人に、いきなり詳細説明をしてしまう
市場成熟度 その市場で同じような言葉をどれだけ見ているか ありきたりに見えて、スルーされる

たとえば、同じ「発信講座」でも、相手によって入口は変わります。

まだ問題に気づいていない人には、まずこうです。

「投稿数を増やしているのに売れないなら、書き方よりも集めている人がズレているかもしれません」

すでに発信の必要性を分かっている人には、こうです。

「いいねはあるのに申し込みがないなら、欲求・認知度・市場成熟度を見直すと、告知文の入口が変わります」

似た講座を見すぎている人には、こうです。

「売れる文章テンプレを増やす前に、なぜテンプレ通りなのに売れないのかを見た方が早いです」

全部、同じ講座へ案内できます。

でも、入口の言葉は変わります。

相手の頭の中が違うからです。

同じ講座でも、認知度で一文は変わる

商品認知度とは、読者がその商品や解決策をどこまで知っているかです。

むずかしく考えなくても大丈夫です。

読者の頭の中を、ざっくり分けるとこうなります。

読者の状態 頭の中 合いやすい入口
まだ問題に気づいていない 投稿は頑張っているのに、なぜ売れないのか分からない 「投稿数を増やす前に、集めている人がズレていないかを見た方がいいかもしれません」
問題には気づいている いいねはあるのに申し込みがない 「反応する人と、買う人の欲求がズレているかもしれません」
解決策を探している 何を学べば、売れる言葉が作れるのか知りたい 「欲求・認知度・市場成熟度を見ると、告知文の入口が変わります」
講座を比較している 他の文章講座と何が違うのか知りたい 「テンプレを増やす講座ではなく、相手の現在地から言葉を設計する講座です」

こうして見ると、同じ講座でも、最初に言うべきことが変わるのが分かります。

まだ問題に気づいていない人に、いきなり講座の詳細を話しても早すぎます。

逆に、すでに比較している人に、ふわっとした問題提起だけをしても物足りません。

相手がどこまで分かっているのか。

ここを見てから言葉を選ぶだけで、発信や告知の読みやすさはかなり変わります。

認知には2種類ある

では、後から売れる確率を上げるためには、何を覚えてもらえばいいのでしょうか。

ここで大事なのが、認知を一括りにしないことです。

認知には2種類あります。

名前を知っているだけの認知と、価値まで分かっている認知です。

たとえば飲み物で考えると分かりやすいです。

「この飲み物、見たことある」と言えるなら、名前や存在は知られています。

でも、それだけではまだ弱いことがあります。

「疲れた時に飲むものだよね」 「運動後に良さそうなやつだよね」 「他の飲み物より、この場面に合っているよね」

ここまで分かっていると、ただ知っているだけではなく、価値まで認知されています。

講座や発信でも同じです。

「大衆心理と広告技法という講座がある」と知っているだけなのか。

「相手の欲求・認知度・市場成熟度を見て、売れる言葉を作る講座なんだ」と分かっているのか。

この2つは、まったく違います。

種類 どんな状態か たとえば 発信でやること
存在認知 名前やテーマを知っている 「NOAHって聞いたことある」「大衆心理と広告技法って講座があるらしい」 名前、テーマ、誰向けかを覚えてもらう
USP認知 価値や選ぶ理由まで分かっている 「欲求・認知度・市場成熟度から、売れる言葉を設計する講座なんだ」 何が学べるか、他と何が違うか、なぜ今必要かを伝える

存在認知は、思い出してもらうための認知です。

「このテーマなら、あの人」 「この講座、前に見たことある」

こういう状態を作ります。

USP認知は、選んでもらうための認知です。

「ただ文章を学ぶ講座ではなく、相手の欲求から言葉を作る講座なんだ」 「投稿や広告が売上につながらない理由を、感覚ではなく構造で見られるんだ」

ここまで伝わっている状態です。

どちらが正しいという話ではありません。

市場や読者の状態によって、どちらを優先するかが変わります。

市場や読者の状態 優先したい認知 理由
そのテーマの価値がすでに広く知られている 存在認知 必要になった時に思い出してもらうことが大事だから
そもそも必要性が伝わっていない USP認知 なぜ必要なのかから伝えないと動かないから
似た商品が多くて違いが見えにくい USP認知 なぜ他ではなくこれなのかを伝えないと選ばれないから

もう少し市場フェーズで見ると、こうなります。

市場フェーズ 読者の状態 優先したい認知 たとえば
導入期 そもそも必要性が伝わっていない USP認知 「その悩みは、こういう方法で解決できます」と教える
成長期 カテゴリーの価値はかなり伝わっている 存在認知 「このテーマならこの講座」と思い出してもらう
成熟期 似た商品が多く、違いが見えにくい USP認知 「他と何が違うのか」「なぜこれを選ぶのか」を伝える

たとえば、プロテインの価値を多くの人が知っている市場なら、「プロテインがなぜ必要か」を毎回長く説明しなくてもいいかもしれません。

それよりも、「プロテインといえばこのブランド」と思い出してもらう方が大事な場面があります。

テレビCMで商品名を何度も言う広告がありますが、あれは説明不足だからやっているわけではありません。

すでにカテゴリーの価値が伝わっているから、名前を思い出してもらうことに力を使っている場合があります。

一方で、まだ必要性が伝わっていないテーマでは、名前だけを覚えてもらっても動きません。

「なぜ今それが必要なのか」 「その悩みは、こう見ると解決できるのか」

ここから伝える必要があります。

また、似た講座やサービスが多い市場では、今度は逆です。

カテゴリーの価値は分かっているけれど、どれも同じに見えている。

この場合は、名前を知ってもらうだけでは足りません。

「なぜ他ではなくこれなのか」まで伝えないと、選ばれにくくなります。

認知広告や発信で失敗しやすいのは、ここを混ぜてしまう時です。

本当は価値や違いを伝えないといけないのに、名前だけを覚えてもらおうとする。

逆に、まず思い出してもらうべき場面で、細かい説明ばかりしてしまう。

これだと、見られているのに売上につながりません。

「良いことを言っている」のに売れない理由

よくあるのは、正しいことを言っているのに届かないケースです。

「売れる文章が書けるようになります」 「反応が増えます」 「集客できるようになります」

こうした言葉は間違っていません。

でも、読者が何度も見ている言葉なら、もう反応しにくい。

それよりも、

  • 「自分で何とかしたい人を集めているのに、有料相談に来てほしいと思っていませんか」
  • 「勉強したい人に向けて書いているのに、変わりたい人に売りたいと思っていませんか」
  • 「講座名は見られているのに、何が違う講座なのかまでは伝わっていないかもしれません」

こう言われた方が、自分ごとになりやすい人もいます。

言葉の強さは、派手な表現で決まるわけではありません。

相手の頭の中にある違和感を、どれだけ正確に言えるかで決まります。

小さな確認ワーク

次に出す投稿や告知文を1つ選んで、次の問いに答えてみてください。

  • その投稿に集まる人は、自分で何とかしたい人か、誰かに何とかしてほしい人か
  • 読者は今、何を一番欲しがっているか
  • 読者は自分の問題に気づいているか
  • 読者は解決策の存在を知っているか
  • 読者は似たような言葉に飽きていないか
  • この投稿を見た後、読者はどんな2ステップ目に進むのか
  • 今回の発信は、存在認知を取りたいのか、USP認知を取りたいのか
  • 読み終わった後、読者に何を思い出してほしいのか

ここに答えられない場合、足りないのは文章の装飾ではありません。

相手の頭の中を読むための判断軸です。

ここを感覚でやるほど、発信はブレる

発信や広告が難しいのは、正解の言葉が最初から1つに決まっていないからです。

欲求が違えば、刺さる言葉は変わります。

商品認知度が違えば、伝える順番は変わります。

市場成熟度が違えば、使うべき切り口も変わります。

だから、テンプレートだけを増やしても限界があります。

本当に必要なのは、目の前の読者がどの状態にいるのかを見極め、その状態に合った言葉を選ぶことです。

この見極めができるようになると、投稿、告知文、セミナー案内、広告、LPの見え方が変わります。

「何を書くか」だけではなく、「誰の、どの現在地に向けて書くか」が見えるようになるからです。

大衆心理と広告技法で深めること

大衆心理と広告技法の実践プログラムでは、単にうまい文章の型を増やすのではなく、言葉を選ぶ前の判断軸を扱います。

たとえば、次のような視点です。

  • 相手の欲求はどこにあるのか
  • 商品認知度によって、何から伝えるべきか
  • 市場成熟度によって、どんな切り口が反応されるのか
  • ヘッドラインは、どの心理に向けて作るべきか
  • 認知広告は、後から売れる確率を上げる設計になっているか
  • 2ステップ目の購入や申し込みから逆算して、1ステップ目で何を覚えてもらうべきか
  • 存在認知とUSP認知のどちらを取りに行くべきか

ここが見えると、文章はただの表現ではなくなります。

相手の欲求に届き、必要性を立ち上げ、次の行動につながる設計になります。

もし今、発信や告知を頑張っているのに売上につながっていないなら、まず疑うべきは「自分の文章力」ではないかもしれません。

相手の現在地を見ないまま、言葉を作っていないか。

ここを一度、講座の中で整理してみてください。

アーカイブで見返しながら、自分の投稿、告知文、講座案内にそのまま当てはめて考えられる内容です。

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