「前に話した、あのZoom動画をもう一度見たいです」
クライアントからそう言われて、日付だけが入ったフォルダを何個も開いたことはないでしょうか。
すぐに渡したいのに見つからない。
探している間に別の仕事が止まり、「あとで整理しよう」と思った録画だけが増えていく。
もしZoomを閉じたあと、動画の保存、文字起こし、要約、共有ページ、相手へ送るURLまで自動でできたら、かなり楽だと思いませんか。
最後に元データを残すかだけ聞かれ、必要ならフォルダ名まで分かりやすく変わる。
僕が今回作ったのは、そこまでを一つにつないだ仕組みです。
まずはこちらをご覧ください
Zoomの録画保存が終わってから、文字起こし、要約、タイトル整理、Vimeoへの保存、共有リンクの作成、元データの片付けまでが進む様子を、約3分半の動画にまとめました。
動画で全体の流れを見てから下の解説を読むと、どこを自動化し、どこに人の判断を残しているのかが分かりやすくなります。
僕自身、録画後の作業が本当に面倒で、忙しい時ほど後回しにしていました。
この記事では、その面倒がどこから生まれていたのか、どうやって録画終了から納品までを自動化したのか、そして人の判断をどこに残したのかを、実際の流れに沿って紹介します。

動画はある。でも必要な時に出てこない
以前の僕は、録画後の作業を全部手でやっていました。
まずZoomの動画をYouTubeへ限定公開でアップロードする。
次にYouTubeの拡張機能で文字起こしを出し、それをコピーしてAIへ貼り、要約を作ってもらう。
最後に、その文章を自分のノートへ保存していました。
一回だけならできます。
でも、コンサルや打ち合わせが続くと、動画はすぐにたまります。
急ぎの仕事ではないので後回しにしやすいのに、クライアントから「あの時の動画をください」と言われた瞬間、急いで探さなければいけません。
緊急ではあるけれど、売上を作る仕事ではない。
それでも放置はできない。
そんな細かい対応に追われるたびに、「またこの作業か」とかなり嫌になっていました。
しかも、頑張って文字起こしと要約を作っても、保存場所がばらばらなら、次の仕事には使えません。
あとから検索できるログにも、自分の考えを育てるナレッジにもならず、動画だけがフォルダの奥へ増えていきました。
最初は全部手作業だった
僕が欲しかったのは、文字起こしを一回だけ楽にする道具ではありませんでした。
録画が終わったら、内容が読める形で残り、必要な人へすぐ送れ、あとから自分でも探せる状態です。
そこで、まず録画の検知、文字起こし、要約、Vimeoへの保存を少しずつ自動化しました。
その段階でも、最後にはObsidianでコマンド画面を開き、共有用のテンプレートを選び、共有ページを更新する作業が残っていました。

ここで、画面のボタンをAIに押させるだけではなく、そのボタンが裏で何をしているかを分けて考えました。
共有用の案内をノートへ入れる。
Share Noteというノート共有サービスを更新する。
できあがったURLが正しいか確かめ、相手へ送る短いURLを作る。
この順番を仕組みにしたことで、毎回テンプレートを探す必要がなくなりました。
現在は、ObsidianのShare Noteを更新する部分だけ、利用環境によって小さな画面操作を使います。
それ以外は、画面上の位置に頼らず進みます。
録画を閉じたあと、15の作業がこの順で終わる
今の仕組みは、Zoomの録画保存が終わったことを見つけるところから始まります。
全体を図にすると、次の流れです。

文章で追うと、次の15工程です。
- Zoomの録画が保存されたことを見つける
- 動画から音声を取り出す
- 会話を文字にする
- 今回の会話の種類を選ぶ
- 相手、目的、背景を補足する
- 話者を分け、読みやすい会話全文を作る
- 要点、決まったこと、次の行動をまとめる
- AIが考えたタイトルを確認・修正する
- 動画、音声、ノート、フォルダの名前を揃える
- Vimeo、YouTube、保存しない、から保存先を選ぶ
- 選んだクラウドへ動画を保存する
- レビューリンクをObsidianへ記録する
- 共有用の案内を入れ、Share Noteを更新する
- 相手へ送る納品URLを作り、ノートへ保存する
- 元の録画データを残すか、ゴミ箱へ移すか確認する
途中で止まっても、動画を最初からアップロードし直しません。
どこまで終わったかを記録しているので、終わっていない作業から再開できます。
これは地味ですが、とても大事です。
止まるたびに全部やり直す仕組みでは、同じ動画が二つできたり、共有ページが重複したりするからです。
一番の肝は、要約を始める前の二つの確認
この仕組みの価値は、長いプロンプトだけではありません。
要約の前に、人しか知らない確定情報を短く渡していることです。
まず、今回の録画が何の会話だったかを選びます。

一人語り、コンサル、個別相談、法人商談、グループコンサル、セミナーでは、残すべき内容が違います。
コンサルなら、相手の課題、合意したこと、次回までの行動が大切です。
商談なら、相手の要望、提案、予算、決裁の流れが重要です。
一人語りなら、考えの変化や発信へ使える言葉を拾いたい。
この種類を人が選ぶことで、AIが録音だけを見て立場を推測する必要がなくなります。
次に、その場にいた人しか知らない背景を自由に書きます。

ここで書くのは、長い議事録ではありません。
- 誰との会話か
- 今回は何回目か
- 何を決めるための時間だったか
- 固有名詞や、前回から続いている話は何か
この短い補足を、話者分離と要約の両方へ渡します。
文章を整えた後から補足を足すのではなく、誰の発言かを見分ける段階から使うのです。
録音だけでは分からない背景を先に確定するから、表面だけを短くした要約ではなく、「この仕事で次に何をするか」が分かる記録になります。
要約ができたら、タイトルだけ人が確定する
要約後は、会話内容からAIがタイトル案を作ります。
ただし、勝手には確定しません。

そのまま次へ進む。
自分で言葉を直す。
元のタイトルへ戻す。
キャンセルする。
この中から選びます。
確定前は、動画やフォルダの名前を変えません。
タイトルを確定した後に一度だけ、同じ名前をすべてへ反映します。

あとからフォルダを見ても、Vimeoを見ても、Obsidianを見ても、同じ言葉で見つけられます。
「あの動画はどれだっけ」が起きにくくなるのは、保存したからではなく、名前まで揃えたからです。
完成したノートを見れば、送るリンクがすぐ分かる
処理が終わると、Obsidianの一つのノートに、要約、会話全文、動画、レビュー用リンク、共有ページ、納品URLがまとまります。
「動画はVimeo、要約は別のフォルダ、送るURLはブラウザの履歴」という状態になりません。

要約だけでなく、発話順を保った整形済み全文も同じノートへ残ります。


僕の環境では、Share NoteのURLから、link.supplys-llc.comで始まる納品用URLを作ります。
それをdelivery_linkという欄へ保存しているので、クライアントへ送る時はそこだけ見れば大丈夫です。
独自ドメインを使わず、Share NoteのURLをそのまま送る形でもかまいません。
大切なのは、相手へ送る正しいURLを一つに決め、必要な時にすぐ見つけられることです。
こうした仕組みを安定して動かすには、AIが読むノート、仕事のルール、保存場所を整理しておく必要があります。
その考え方は、NotionではなくObsidianを使う理由で詳しく紹介しています。
何でも自動にせず、五つだけ人が決める
この仕組みは、何も聞かずに最後まで勝手に進むものではありません。
間違えると困る五つの場面では、僕に確認します。
会話の種類
一人語り、コンサル、商談など、今回の録画が何なのかを選びます。
この選択が、要約で何を残すかの土台になります。
相手、目的、背景
録音だけでは分からない関係性や前回からの流れを、短い自由記述で補います。
この情報は、話者分離と要約の両方で推定より優先されます。
動画の名前
AIは会話からタイトルを考えられます。
ただ、クライアントへ見せる名前や、あとから検索しやすい言葉は、最後に本人が決めた方が安心です。
確定した名前は、動画、音声、ノート、フォルダへまとめて反映されます。
Vimeo、YouTube、保存しない、の選択
レビューしてもらう動画、限定公開で見てもらう動画、ローカルだけに残したい動画では、保存先が違います。
毎回同じ場所へ自動公開するのではなく、用途に合わせて選びます。

元データを残すか、ゴミ箱へ移すか
クラウド保存と共有URLの作成が終わった後、元の録画データをどうするか聞かれます。

「残す」を選ぶと、フォルダ名も確定タイトルへ変わります。
処理前の日時名ではなく、あとから探せる内容名でZoomフォルダに残ります。

「ゴミ箱へ移動」を選んでも完全削除はされないため、必要なら元に戻せます。
アップロードが終わったか分からない。
返事がない。
どのフォルダを処理すればよいか決められない。
そんな時は、必ず元データを残します。
自動化の目的は、人の判断をゼロにすることではありません。
毎回同じように決められる作業を任せて、名前、公開先、削除のような大切な判断へ集中できるようにすることです。
自分の仕事で、同じ面倒が起きていないか
今回作ったのはZoom録画の仕組みですが、考え方は他の仕事にも使えます。
毎回同じように繰り返している仕事を一つ選び、次の七つを確認してみてください。
- 何が起きたら、その仕事が始まりますか
- 途中で使うファイル、アプリ、URLは何ですか
- 誰が、どんな状態になったら本当に完了ですか
- 毎回同じ答えになる作業はどこですか
- 名前、公開、削除、金額など、人が決めるべき場所はどこですか
- 途中で止まったら、どこからやり直せますか
- 終わったことを、どこで確認できますか
ここまで書けると、AIへ何を頼めばよいかが見えてきます。
長いプロンプトを考える前に、仕事の始まり、順番、人が決める場所、終わり方を決める方が先です。
AIへ質問するだけでなく、仕事を任せられる環境まで作る考え方は、AI活用3.0へ──仕事を任せる環境の作り方にもまとめています。
Zoom録画・納品自動化パッケージ
この仕組みを自分のMacにも入れたい方向けに、Zoom録画・納品自動化パッケージを用意します。
標準対象は、Mac、Zoomのローカル録画、Obsidianを使っている方です。
Windows、Google Meet、Microsoft Teams、Notionなどでも作れる可能性はありますが、必要な設定が変わるため、事前確認の上で要相談・個別見積りとします。
標準パッケージは、60分1回・税抜30,000円(税込33,000円)です。
一緒に設定方法を説明するだけではなく、画面共有を使い、こちらで導入と試運転まで行います。
このパッケージは、「自分専用AI業務システム構築・全5回実践講座」の中にある、一つのレッスンとして用意しています。
まず無料公開部分で内容を確かめ、その先で「この仕組みだけ税込33,000円」または「実践プログラム全体税込98,000円」から選べます。
60分で行うこと
- 現在の録画後の流れを確認する
- Zoom録画を見つける設定を入れる
- 会話の種類と背景を確認する画面を入れる
- 文字起こしと要約の保存先を設定する
- 要約後にタイトルを確認・修正する画面を入れる
- 動画、音声、ノート、フォルダの名前を揃える
- VimeoまたはYouTubeのどちらか一方へ接続する
- Obsidianの保存先と共有方法を設定する
- 元データを残すかゴミ箱へ移す確認画面を入れる
- サンプル録画を一件動かして試す
試運転で詰まった場合は、その場で原因を見つけて改善します。
問題なく動いた場合は、残った時間で「この録画をこう残すと次の提案や発信にも使える」といった活用方法をお伝えします。
環境によって追加相談になるもの
- VimeoとYouTubeの両方を使い分ける設定
- 独自ドメインを使った納品URL
- 新しいドメインやサーバーの取得・設定
- 複雑なObsidian構成への組み込み
- 複数人や社内チームで使う仕組み
- Mac以外、Zoom以外、Obsidian以外の環境
- 標準フローにない個別開発
Vimeo、YouTube、Share Note、AIサービス、ドメインなどの利用料は別途必要です。
パスワードや認証情報は共有ノートへ書かず、ご本人のMac内で設定します。
録画を「たまるファイル」で終わらせない
録画を文字にするだけなら、今は多くのサービスでできます。
それでも録画後の仕事が減らないなら、文字起こしの前後がつながっていないのかもしれません。
要約はどこへ残すのか。
動画はどこへ置くのか。
相手へ何を送るのか。
必要になった時、どこを探せばよいのか。
元データはどうするのか。
ここまで一つにつながると、録画は「あとで整理するファイル」ではなく、すぐに渡せて、あとから使える仕事の記録になります。
この記事は、実践プログラム内の一つのレッスンとしても置いています。
まず無料公開部分を読み、その先で、この仕組みだけ購入するか、実践プログラム全体を購入するかを選べます。
標準環境に当てはまらない方は、個別相談ページから、使っているOS、録画サービス、保存先を書いてください。
対応できるか確認します。