Noah
記事一覧へ戻る法人・協業約4分で読めます

個人向けの仕事しかしてこなかった人が、法人案件という選択肢に気づく瞬間

月の売上がだいたい同じ数字で止まる。
新しいお客様を取ろうとしても、集客の手間が増えるだけで利益率は上がらない。
単価を上げようとすると、既存のお客様との関係がぎくしゃくする。

個人向けの仕事を続けるなかで、こうした壁を感じる人がいます。
集客や単価を見直すことで伸びる場合もありますが、別の顧客単位として法人を検討する余地がある場合もあります。

この壁で法人案件が合う人もいます。
ただし、すべての個人向けサービスをそのまま法人へ持ち込めるわけではありません。


「法人なんて自分には無理」という前提

法人と聞くと、多くの人は自分とは関係のない世界だと感じます。

営業経験がない。
提案書を書いたことがない。
スーツを着て会議室で話すイメージが先に来る。

だから「法人向けは自分には無理だ」と決めて、個人向けの中でなんとかしようとします。
もっとSNSを頑張ろう。
もっとセミナーを開こう。
もっとコンテンツを増やそう。

それ自体は間違いではありません。
個人向けで伸ばし続けることにも、もちろん価値があります。
ただ、対応人数、集客に使える時間、提供方法に制約を感じるなら、法人という別の顧客単位を検討する意味が出てきます。


専門性は活かせる。ただし、法人向けの仕事は追加される

僕がよく相談で伝えるのは、「法人案件は今のスキルの延長線にある」ということです。

たとえば、個人向けに片付けのアドバイスをしている人がいます。
企業のオフィス環境を整える、社員向けに研修をする、業務効率化の一環として片付けを提案する。
片付けの専門性は活かせますが、誰の困りごとを解き、どう導入し、何を確認するかは法人向けに設計し直します。

コーチングをしている人なら、管理職向け研修として応用できる場面があります。
マーケティングを教えている人なら、社員が自走できる状態を目標にした研修へ組み替えられる場合があります。

法人案件では、専門性に加えて、提案、導入、成果確認が必要です。
今やっていることを組織の言葉に翻訳し、導入後に何を見ればよいかまで設計します。


「何ができますか」ではなく「何が変わりますか」

個人向けの仕事では、自分の経験やスキルへの共感が、相談の入口になる場合があります。
法人でも経験が役立つことはありますが、担当者は自社の社員や業務にどう関係するかを確認したいと考えることが多いです。
売上だけに限らず、業務時間、運用のばらつき、社員の行動など、導入前後で何を確認するかを尋ねます。

ある相談で、法人営業に初めて挑戦しようとした方がこんな経験を報告してくれました。
経営者が集まる場で「何か困っていることはありませんか?」と聞いたところ、相手から「なぜあなたにそれを答えないといけないんですか」と返されたと。

この場面では、質問が早すぎました。
相手に質問する前に、「何を扱う人で、どの場面に役立つのか」を短く示す必要があります。

法人では、聞くことと見せることの順番を相手との接点に合わせます。
初対面なら、まず自分の専門性と扱う課題を示し、そのあとで相手の状況を聞く方が会話を始めやすくなります。

1つの専門性を、3人の視点で組み替える

説明用の架空例として、オフィスの片付け支援を法人へ提案する場面を考えます。

担当者には、業務を止めずに実施できる日程と、各部署との調整窓口を提案します。
利用者には、共有物の定位置と、使った後に戻す手順を一緒に決めます。
決裁者には、導入前後で探し物にかかる時間や、決めた手順が使われているかをどう確認するかをまとめます。

同じ専門性でも、3人が判断に必要とする情報は違います。
法人案件では、専門性を伝えるだけでなく、この3人が納得できる提案と導入の設計が必要になります。


個人と法人は対立ではなく、相互強化になる

法人案件に踏み出すと聞くと、「個人向けをやめなければいけない」と感じる人がいます。
実際には逆です。

個人向けの現場で得た困りごとの理解は、法人提案の材料になります。
一方、法人での提供経験が、個人向けのサービスを見直すきっかけになることもあります。
両方を持つことが目的ではなく、自分の専門性がどちらの顧客により役立つかを見ます。


確認してみてください

今やっている個人向けの仕事を1つ思い浮かべてください。
その上で、次の質問に答えてみてください。

  • そのスキルや知識は、組織のどの役割の人に役立つか
  • 導入前後で、何を確認できれば価値を説明できるか
  • 担当者、利用者、決裁者に、それぞれ何を伝える必要があるか

3つを具体的に書けるなら、見込み顧客へ仮説として聞いてみる入口になります。
個人のお客様の課題がまだ言葉にならない、提供品質が安定しない、組織の課題との接点が見えないなら、まず個人向けの商品を磨く方がよい場合もあります。


個人向けの商品を法人案件にどう翻訳するかは、事業ごとに変わります。
自分の専門性、提案、導入、成果確認のどこから整えるべきか判断しにくい方は、一度全体を見直すと次の一手が見えます。

Practice Program

この記事を実践に変えるプログラム

記事で見えた課題を、知識として読むだけで終わらせず、自分の仕事の仕組みとして実装したい方へ。

THE BOOST|学びを成果に変える6つの基礎力

自己経営価格 ¥330,000

知識を増やすだけでは、仕事は進まない。 自分で課題を見つけ、価値をつくり、伝え、改善する。 学んだことを成果につなげる6つの力を、実践で育てるプログラムです。

3レッスン総時間 4時間31分
この実践プログラムを見る

この記事をシェア

役立ちそうな方へ、記事のリンクを送れます。

コメントをする

関連記事

まだ他の記事で学びたい方は、今のテーマを一段深める記事からどうぞ。

コメント

まだコメントはありません。

ログインせずに投稿できます。投稿者名は「匿名」と表示されます。

0 / 1,000文字