反応は良かった。
先方の担当者も乗り気だった。
それなのに、終わってみると次の話が出てこない。
法人案件や協業でいちばん多いのが、この「悪くなかったのに続かない」パターンです。
失敗したなら原因を探せます。
でも、うまくいったように見えて続かない時ほど、何を直せばいいのか分からなくなります。
僕がこの相談を受けた時に最初に聞くのは、終わり方ではありません。
始める前に、何をもって成功とするか決めていましたか。
ここが決まっていない仕事は、どれだけ盛り上がっても単発で終わります。
今回は、その理由と、始まる前に置いておく3つの整理を書きます。
「いい感じだった」は、評価ではない
終わった後の会話を思い出してみてください。
「ありがとうございました、勉強になりました」
「また何かあればぜひ」
「社内で共有しておきます」
どれも悪い言葉ではありません。
ただ、この3つには共通点があります。
何がどう良かったのかが、一つも具体的になっていない。
評価が曖昧なまま終わると、次の企画を立てる材料が残りません。
先方の社内でも「良かったらしい」以上の情報が回らないので、稟議にも上げられない。
続かない理由は、たいてい関係性ではなく、この情報の薄さです。
相性のせいにすると、改善できなくなる
単発で終わった時、いちばん楽な結論は「相性が合わなかった」です。
次に楽なのが「タイミングが悪かった」。
どちらも半分は本当です。
でもこの結論を採用すると、こちらに打てる手が一つも残りません。
だから僕は、相性の話を最後に回します。
先に見るのは、続く前提を自分の側で用意していたかどうかです。
用意していなかったなら、それは相手の問題ではありません。
設計の抜けです。
整理1|相手の成果を決める
最初にやるのは、こちらの提供内容ではなく、相手が何を得たら成功なのかを決めることです。
ここでよくあるのが、成果をこちらの仕事の完了で置いてしまうこと。
研修を実施した、記事を納品した、システムを入れた。
これは作業の完了であって、相手の成果ではありません。
相手の成果は、相手の社内で報告される言葉で書きます。
- 応募数が月に何件増えたか
- 問い合わせから商談までの日数がどれだけ短くなったか
- 社内で対応できる人が何人増えたか
数字にできない場合は、状態で書きます。
大事なのは、先方の担当者がそのまま上司へ報告できる形になっているかです。
ここが決まると、こちらの提案も自然に変わります。
やることを並べるのではなく、その成果に必要なことだけを残せるようになります。
整理2|こちらの役割を明確にする
次に決めるのは、自分がどの役割で入るのかです。
同じ仕事でも、役割が違えば続き方が変わります。
- 実行する人として入るのか
- 設計して、実行は相手側に渡すのか
- 判断の相談相手として、定期的に入るのか
実行だけで入ると、その作業が終わった時点で関係も終わります。
逆に、設計や判断の側で入ると、次のフェーズが自然に発生します。
役割が曖昧なまま始まると、途中で「どこまでやってくれるんですか」という確認が入ります。
この確認が出た時点で、相手はこちらを外注として見ています。
外注は、安いところがあれば替わります。
役割を先に置くのは、値下げ競争から出るための作業でもあります。
個人向けの商品をどう法人向けに翻訳するかは、個人向けの商品を法人・協業案件に変える設計図にまとめています。
整理3|次回の改善点を残す
3つ目が、いちばん抜けやすいところです。
終わった時に、うまくいかなかった点を1つだけ言語化して渡す。
これをやるかどうかで、次の有無が変わります。
「全部うまくいきました」で終わらせると、次にやる理由が生まれません。
完成したものに、追加の予算は付かないからです。
逆に「今回はここまでできました。ただ、〇〇は手つかずなので、次はここからやると効きます」と渡すと、続きが企画になります。
これは粗探しではありません。
改善余地を見える形にすることが、継続の入口になるという話です。
自分の仕事にケチを付けるようで気が引ける、という人もいます。
でも、相手が本当に困るのは、できなかったことを隠されて後から発覚する時です。
継続は、お願いではなく設計で作る
単発で終わった後、「また何かあればお願いします」と連絡する人がいます。
悪くはないのですが、これは相手の記憶頼みです。
継続は、こちらから思い出してもらうものではなく、終わる前に次が見えている状態で作ります。
3つの整理は、そのための最低限です。
- 相手の成果を、報告できる言葉で決める
- こちらの役割を、実行・設計・判断のどれかで置く
- 終わりに、次に効く改善点を1つ渡す
この3つを最初の打ち合わせの時点で置いておくと、終わり方が変わります。
3つ整理しても続かない時に疑うところ
設計したのに続かなかった場合、原因は別の場所にあります。
次の3つを順に見てください。
その仕事に、そもそも続きがあるか
一度きりで完結する種類の仕事もあります。
継続を前提にしていた自分の側が、ずれていた可能性も見ます。窓口が決裁者か、報告者か
報告する立場の人なら、その人が社内で通すための材料を渡せていたかが勝負になります。
成果を、自分の作業完了で置いていないか
納品した、実施した、で終わっていると、相手側に語れる成果が残りません。
2つ目は特に大きいです。
ここを外すと、どれだけ現場で喜ばれても稟議で止まります。
現場の評価と、社内で通る材料は別物だからです。
今日やること
直近で単発に終わった案件を、一つ思い出してください。
そのうえで、一行だけ書きます。
あの案件で、相手の成果は何と定義していたか。
書けなかったら、それが単発で終わった理由です。
次の案件では、その一行を最初の打ち合わせで埋めてから始めてみてください。
自分の場合はどこで切れているのか整理したい方は、一度流れ全体を見た方が早いです。
入口の商品なのか、役割の置き方なのか、終わり方なのか。
どこが詰まっているかが分かると、次に直す場所が一つに決まります。
法人・協業の進め方を他の人の事例も見ながら考えたい場合は、僕のコミュニティ「ぺいの対話室」に参加してみてください。
「ぺいの対話室」では、発信、集客、導線、個別相談、成約までを、表面的なノウハウではなく「なぜ売上につながるのか」という視点で扱っています。