「お金がない人は来ないで」なんて言えない。購買力のある人をターゲットにしていい?
「高額講座を作るなら、購買力のある人をターゲットにしましょう」
そう聞いて、少し心がざわつく方もいると思います。
本当は、困っている人を助けたい。
なのに、お金のある人を選ぶのは、なんだかいやしい気がする。
「お金がない人は来ないで」と言っているようで、気が引ける。
自分が苦労してきたことや、乗り越えてきた経験を商品にする方ほど、この葛藤はあるんじゃないでしょうか。
僕は、講座やコンサルなどの高額な無形商品を提供するなら、購買力も最初からターゲット設定に含めた方がいいと考えています。
ただ、単純に「お金がある人を狙う」という意味ではありません。
誰に、どんな支援を、どのような形で届けると役に立てるのか。
そこまで考えるために、購買力も見るということです。
お金の有無だけで、お客様を決めるわけではない
商品設計では、次のことをセットで見ます。
- 本人にとって、今解決する必要がある悩みか
- その解決に、価格に見合う価値を感じるか
- 生活や事業を圧迫せず支払えるか
- 支援を受けて実践できる状態か
例えば、同じ「集客に困っている」という悩みでも、これから事業を始める方と、すでにお客様がいて集客を安定させたい方では、必要な支援が違いますよね。
使える時間も、これまでの経験も、解決したときに得られる価値も違います。
だから、適切な価格や提供方法も変わります。
年収が高ければ対象になるわけでもありません。
支払えても、本人に必要のない商品なら提案する理由はないですし、取り組む余力がなければ活かしにくいこともあります。
購買力は、その人の人間的な価値を測るものではありません。
その人の状況と、商品の価格や提供方法が合っているかを考える材料なんです。
「その悩みにお金を払っている人がいるか」を調べる
では、それをどこで見極めるのか。
商品をつくる前の、市場調査が大切だと思っています。
悩みを持っている人がいることと、その悩みにお金を払ってでも解決したい人がいることは、少し違うんですよね。
自分が「これは必要な商品だ」と思っていても、その価格で求める人がいなければ、事業として届け続けることは難しくなります。
だから、頭の中だけでペルソナを作り込む前に、実際の市場を見に行きます。
まずは、類似の講座やコンサルが存在するかを調べてみてください。
その分野の第一人者と言えるようなYouTube配信者やInstagramの発信者、実際に商品を提供している方を見て、次の情報を並べます。
- どんなお客様を対象にしているのか
- どんな悩みを、どこまで解決すると伝えているのか
- どんな提供方法で、どの価格帯なのか
- どんな媒体を使い、どれくらいの人が集まっているのか
- 購入者の事例や、継続的な販売が確認できるか
こういったことを一覧にすると、市場の輪郭が見えてきます。
「この悩みには、こういう状況の人がお金を払っているんだな」
「知識を学びたい人と、実行まで手伝ってほしい人では、求める支援が違うんだな」
自分の想像だけで考えていたお客様が、少しずつ具体的になるんです。
ただ、フォロワー数だけで市場規模を判断したり、高額商品を出しているだけで「売れている」と判断したりはしない方がいいです。
発信への関心と、購入する需要は分けて見たいですね。
見つからなかった場合も、すぐに需要がないとは決めず、教材や月額制、法人向けなど、別の提供方法がないかを調べます。
既存の商品で、解決しきれていないことは何か
市場が見えてきたら、次に考えたいのが「既存の商品では、何が解決しきれていないのか?」です。
例えば、知識を学べる講座はたくさんある。
でも、自分の商品に落とし込めず、止まっている方がいるかもしれません。
やり方は分かった。
発信も始めた。
けれど、その後に何を振り返って、どう改善すればいいのかが分からない。
そこに、実行や改善まで一緒に進める支援が必要とされているかもしれないですよね。
僕自身も、やり方が分かっただけで終わってしまうのは嫌なんです。
だから、実際に動いて、その結果を見て、改善するところまで伴走する支援を大切にしています。
こうした未解決の部分と、自分の得意領域や、責任を持って支援できる範囲を重ねていきます。
もちろん、競合にないものを足せば売れるわけではありません。
その不足を、お客様自身が困りごととして感じているかは確認が必要です。
そのためにも、ネットで調べるだけでなく、実際に人と話してみてください。
何に困っているのか。
解決するために、今どんな行動をしているのか。
何を試して、それでもどこが解決していないのか。
そこを聞いていくと、「自分が関われば、この部分を支援できそうだ」というポイントが見えてきます。
市場に、自分の強みを重ねていく
プロダクトアウトとマーケットインで言うと、僕はこの両方を合わせることが大切だと思っています。
自分が提供したいことや、これまでの経験から商品を考える。
その思いは大切です。
助けたい相手への気持ちまで、捨てる必要はありません。
そのうえで、市場では実際に何が求められているのかを見ます。
「すでにお金を払ってでも解決したい悩みがあり、その中で自分だから解決できる部分はどこか?」
ここを探すということですね。
自分の思いだけで商品をつくると、必要としてくれる人が十分に見つからないかもしれません。
市場で売れているものをそのまま真似しても、自分が責任を持って届けられなければ、続けるのは難しいです。
だから、需要があるところに、自分の経験や強み、こだわりを重ねていく。
そうすると、「誰に、なぜ、この商品を届けるのか」が具体的になります。
これは、購買力のある人を見つけて、高額商品を買ってもらうという考え方とは、感覚が変わってくると思います。
この課題を解決したい人がいる。
今ある支援だけでは、満たされていない部分がある。
そこに、自分が役に立てることがある。
その支援を続けるために必要な価格を考え、受け取れる状態の方に届ける。
僕は、この順番で考えたいんです。
助けたい気持ちを、届け続けられる形にする
もし、金銭的に厳しい方にも届けたいなら、その思いを諦めなくて大丈夫です。
教材として届ける。
支援範囲を絞った商品を用意する。
無料の発信を充実させる。
別の支払主体を考える。
同じ思いでも、届け方はいくつもあります。
すべての方を、一つの高額商品で支援しようとしなくてもいいんです。
一方で、高額の個別支援が合う方には、その価値をきちんと伝えて提案する。
市場調査で大まかな対象を見つけたうえで、個別相談では本人の状況を確認します。
価値が伝わっていなくて迷っているのか。
価値は分かるけれど、今は支払いや実践が難しいのか。
そこは分けて考えたいですね。
購入を決断してもらえても、支払いの負担や実践の難しさがなくなるわけではないからです。
僕はよく、「セールスの課題は集客課題にあり、集客課題は商品課題にある」と伝えています。
誰に届ける商品なのかが曖昧なままだと、日々の発信も、個別相談での提案も難しくなります。
だから、頑張って集客する前に、商品とお客様の関係を見直してほしいんです。
「お金がない人は来ないで」と言いたいわけではない。
困っている方に役立ちたいし、自分も無理なく仕事を続けたい。
その両方を大切にするために、市場を調べ、相手の状況を知り、商品と届け方を考える。
購買力も、そうした商品設計の一つとして見てもらえたらと思います。

