第1回では、Obsidianを情報の置き場、CodexまたはClaude Codeを仕事を進める相手としてつなぎます。 大切なのは便利な機能を増やすことではなく、自分が何を保存し、AIに何を読ませ、どこまで任せるかを決めることです。
フォルダは完成品ではなく、仕事に合わせて育つ器です。 まずは少ない親フォルダから始め、Web Clipperで入る情報と、自分でつくるノートの流れを整えます。 Gitは変更の不安を減らすための履歴として使い、Skillは出所と役割を確認して安全に導入します。
当日は受講者自身のVaultを使って接続し、読み取り、保存、変更履歴の確認まで実際に動かします。 エラーが出た場合は、開いているフォルダ、権限、パス、Gitの状態を一緒に切り分けます。
要約
AIが迷わない入口をつくる
AIに依頼する前に、Vaultの目的と、触れてよい範囲を言葉にします。 たとえば「このフォルダは仕事の知識と進行中の案件を置く場所」「最初は読むだけ」「編集前に変更案を出す」といった短いルールです。 ルールがあると、AIの出力を評価しやすくなります。
最初のフォルダ設計は少なくする
入力、知識、進行中の仕事、成果物を大まかに分ければ始められます。 名前は自分が見て理解できるものを選び、細かい分類は実際に情報が増えてから追加します。 迷うノートは一時置き場に入れ、止まらないことを優先します。
Web ClipperとGitの基本
Web Clipperは、参考ページを出典つきでVaultへ入れる入口です。 保存しただけで知識にはならないため、後で使う理由を一行添えると再利用しやすくなります。 Gitは作業の区切りごとに変更を残す仕組みです。 最初は履歴を確認できる状態をつくることに集中します。
Skillは小さく、安全に入れる
Skillは、AIに繰り返し任せる手順を伝えるためのものです。 導入前に、何を読むか、どのファイルを編集するか、外部へ送信しないかを確認します。 最初から多くを入れず、困りごとを一つ解決するSkillを一つ試し、出力を自分で確認します。
最初に仕組み化する業務を選ぶ
業務は、目に見える作業だけで選びません。 「探す・決める・確認する・伝える・保存する」までを書き出すと、減らせる手間と人が判断すべき箇所が見えてきます。 各工程を「やめる・減らす・AIに任せる・自分が判断する」に分け、AI化する前に、不要な工程をやめるか減らせないかを先に考えます。
AIには整理、抽出、比較、初稿、確認観点の提示を任せます。 目的、優先順位、責任、最終判断は自分が持ちます。 最重要業務から始める必要はありません。 安全で、繰り返し試せて、出力を人が確認できる業務を選びます。
候補は次の6項目を各0〜2点で見ます。 0は「低い・不足している・確認できない」、1は「一部満たす」、2は「十分に満たす」です。 安全性は、機密情報や外部送信・公開・契約・決済を含まず、問題があっても人が止めて確認できるほど高得点です。 安全性または人が確認できるかが0点の候補は、最初の対象から外します。
| 評価項目 | 0点 | 1点 | 2点 |
|---|---|---|---|
| 頻度 | ほとんどない | ときどきある | 定期的にある |
| 負担 | 小さい | 多少ある | 時間・迷いが大きい |
| 繰り返しやすさ | 毎回大きく違う | 一部は共通する | 手順がほぼ共通する |
| 必要な材料が揃っているか | 集められない | 一部揃う | 毎回そろえられる |
| 結果を人が確認できるか | 判断しにくい | 一部確認できる | 明確に確認できる |
| 安全性 | 影響が大きく止めにくい | 注意が必要 | 人が安全に確認・停止できる |
採点後に材料や確認の条件が足りなければ、対象範囲を小さくするか候補を変えます。 候補を変えたときは、S0で記録した導入前の状態も更新します。
情報は同じ内容を複数箇所へコピーせず、正本を一つ決めます。 ほかのノートや手順書からは、その正本へリンクして使います。
この回で扱う主な仕組み
- ObsidianとCodexまたはClaude Codeの接続
- Obsidian Web Clipperの保存テンプレート
- 入力・知識・進行中・成果物を迷わず置くフォルダ設計
- Gitによる作業前後のチェックポイント
- Skillの導入前確認と、最小単位での動作テスト